最近、お子さんから大人の方まで様々なお弟子さんのレッスンをしていて思うのが「練習の仕方」についてです。
趣味で学ばれている方、とりわけ大人の方によくあるのが「早く上手になりたい!弾けるようになりたい!」と言う気持ちから、曲の最初から最後までをただ通してツラツラツラとずーっと練習してしまう傾向があります。
CDやコンサートなどで演奏を聴き、「あんな風に弾いてみたいな」と言う憧れの気持ちはとても素敵なことだと思います。けれど、ただひたすら通して弾くだけの「反復練習」と言うのは、実はとても非合理的で遠回りな練習方法でもあるのです。
練習しなくてはならないのは「まだ引けていない箇所」です。既に出来るようになった箇所は、大袈裟に言えば「練習しなくても良い」わけです。弾ける箇所を繰り返しても、弾けない箇所は一向に上達しないままなのですから、その時間が無駄になってしまうのです。
弾きにくい箇所、いつも間違ってしまう箇所だけを抜き出して弾いてみて、そこだけを繰り返しやってみる。
間違ってしまう箇所はどこなのか、どうして間違ってしまうのか、指遣いが変じゃないか、手の形が変じゃないか、
なぜだろう?
どうしてだろう?
と、いつもいろんなことを疑問に思ったり、疑いながら、ただただ機械的な反復練習だけではなくて「考えながら」練習をしてみてください。その箇所が納得できるまでは次に進まない!一見、この作業は面倒くさいようにも思えますが、一番早く上達するように思います。
ぜひ皆様、上記の方法を試してみてください。
私はお弟子さん達の
「なぜだろう?」
「どうしてだろう?」
を、大切に、そして楽しみに日々レッスンをさせて頂いています。
富岡紀香